本を積む人

積んでいる本を崩しては読み積んでは崩し……積み読み積み崩し積み罪

あまり積まない内に読んだマンガ5冊の感想―おひとり様の昭和腐女子がプラチナ平安貴族とバレエを踊る

満を持して、感想。

積んだ期間は、最長で1週間ぐらい。最短で帰宅して即座に。

だから積ん読と呼べるかちょっと怪しい線。

初回の感想としてはあまり華々しくない。惜しい。

 

注意事項。

このブログではネタバレに躊躇がありません。

自己責任でお読みください。

 

 

プラチナエンド 10 (ジャンプコミックス)

プラチナエンド 10 (ジャンプコミックス)

 

 

こういうのを待ってた。最後の神候補。

やっぱり小畑健大場つぐみコンビにはこれを期待してしまう。

ノーベル文学賞と物理学賞を最年少でW受賞した大学教授。どう見ても頭がウニ。痛そう。

実際、別の意味で痛々しい。この料理法は「デスノート」の魅上のセルフカバーだろう。懐かしい。本当に、本当に待ちわびてた!

コスモポリマンが小物に思えるレベル。もうこの人、神じゃないの?私はこの人に清き一票を投じる。彼をこそ神に!

前半の自殺論議は、この作品ではあまり大きな意味を持たないだろう。何しろ大場つぐみだから。

しかし、神候補のうち複数が自殺未遂経験があったり、自殺願望があったり、死が身近であったりすることは、物語として何かしらの伏線になっているはず。

どう考えても神になると退屈になる事情が明かされた今、それを覆す何かとその伏線がリンクしているとしたら、ミライくんが神になりたがる展開も見込める。

いずれにせよ、私の教授とミライくんが争わずに進むことはまずない。と思いたい。

いま最高にわくわくしているので、私の教授を拝むためだけにでも本誌を買って追いかけたいぐらいだ。

それにしても「あれ?前の巻、どんなだったっけ?」と惑っていてもぐいぐい読ませる力はさすがの小畑・大場コンビだなあと改めて放心。

 

 

腐女子になって四半世紀経つとこうなる?底?懐古編 (ZERO-SUMコミックス)

腐女子になって四半世紀経つとこうなる?底?懐古編 (ZERO-SUMコミックス)

 

 

本編よりも巻末の高河ゆんインタビューマンガ目当てに購入。

でも本編も充分に面白かった。というよりも、懐かしかった…懐古編…そうか、懐古編だもんな…そりゃ懐かしいはずだよ…。

私自身は同人誌を作成した経験はないが、通販で購入はしていた。

定額小為替とかもうね。郵便局の人にはどう思われていたのだろう。「ていがくこがわせで500えん」と言いに来る小学生。お察しだったのだろうか。

そして高河ゆんの語る凄まじい歴史。商業デビューする前の話…だよね…?(スタッフを引き連れてハワイに行った話は「アーシアン」の巻末に載っているが、あれが最初じゃなかったのか)

すると尾崎南やCLAMPも大体こんな感じだったのかな。尾崎南なら絶対にやりそうな1人イベント。行ってみたかった。

こういう好きなことにひたすら邁進する人は、たぶん「不可能」を感じる回路を持ち合わせていないのだろう。

 トライアンドエラーが楽しくてしょうがない、ということなのだろうなあ。

せめて「名前を呼ばれて振り向く時は笑顔」を見習おう。それだけでも私だって最高のオタクで最高のリア充になれるはず(自分比で)。

 

 

 

これまで「腹に一物も二物もあるな」としか読みとれずにいたミサキくんが、とても格好わるくて格好いい。新キャラ、響ちゃんとの関わり方がとても面白い。

響ちゃんの中ではちきれそうになっている豊かさ、美しさ、あこがれ、夢。その表現がマンガとしてちょっと他に類を見ないくらい上質。

オーロラ姫とデジレ王子の名付け役が同じ妖精だとは知らなかった。実はバレエ鑑賞も好きなのに「眠りの森」はどうにも苦手で、一度だけ観た後は避けてきたのだけれど、そういうことだったのかと納得したが最後、今すぐにでも劇場に駆けつけたい!

潤平は今回、圧倒的に不利かなあ。恋や運命を踊りに取り入れつつある今、いい線まで行ってほしいけど、やっぱりミサキくんと響ちゃんのペアでこの舞台を観たい。

そして潤平の「ロミ・ジュリ」…いいねえ。そちらこそを是非!

しかしやっぱり潤平のミューズってあくまで都ちゃん(だっけ?)なんだなあと再確認し、「なるほど、運命…」とため息が出てしまう。夏姫ちゃんを横目に。

 

 

いいね! 光源氏くん 2 (FEELコミックス)

いいね! 光源氏くん 2 (FEELコミックス)

 

 

いつの間にか2巻が出ていた。次は頭中将、通称、中ちゃん。

残念ながら1巻よりパワーダウンの感は否めない。それだけ1巻のインパクトは強烈だった。

源氏物語は途中までしか読んでいないけど(しかも橋本治バージョンで)、私も光君より頭中将派。

このマンガでもどちらかというと中ちゃんが好みだし、1巻で最初から頭中将にしておけば…「いいね!頭中将(中ちゃん)」…うん、だめだな。

本格BL展開にしたとしても難しいな。

というか絵柄はこのままで平安時代でそういうのをいつかやってほしい。橋本治『窯変 源氏物語』では結構そういう雰囲気あった気が…思春期の妄想だったのかしら。

それにしても沙織さんが光くんにほんのり恋してたって、初耳。

3巻に続くならそういうことになっていくのか。それはそれで楽しみ。

(ただし3巻でやめておいた方がいい予感がひしひしと。やっぱり1巻で完結したと思いこんでいたし、私の如き読者は多そうだから引き際はどうか美しくお願いしたい)

 

 

おひとり様物語(8) (ワイドKC)

おひとり様物語(8) (ワイドKC)

 

 

ふっと以前のキャラクターが再登場するのが、このシリーズの面白いところ。サボテン少女しかり、作家さんしかり。そういえばマンガ家さんはお元気かなあ。彼氏と同棲したりしてるのかなあ。

しょっぱなのあの子があの子か!と分かった瞬間の、再会に似た感覚も嬉しかった。

全体を通して「無理はしすぎないで好きな人とゴキゲンにしてればいーよ!」「憎いと思うより手放せる方がいい」の言葉が心に残った。

こういう台詞がしっくり来る物語を作れる谷川史子、すごいなあ。

最後の一話がまるで最終回のようだったからひやりとしたけれど、まだまだ続くようで何より。

来月の「はじめてのひと」の新刊も楽しみだ。

 

 

 

積ん読ミシュラン

 

プラチナエンド」10

 まったくもって一秒たりとも積むべきでない本。いっそ本屋で買ってレジ前で読むべし。

 

腐女子になって四半世紀経つと~」

 積めば積むほど価値を忘れやすいのでお早めにどうぞ。在庫も少なめの様子だからまずはお買い求めを。巻末だけ読んで本編未読で積んでおく手もあり(語り尽くされた昭和同人あるあるだから)。

 

ダンス・ダンス・ダンスール」12

 出版ペースが早めだから多少は積んでおいてもいい。案外、次の巻が出る直前まで積んでおいて発売日前日あたりにおもむろに崩し読んだ方があまりの待ちきれなさにもだもだせずにすみそう。

 

「いいね! 光源氏くん」2

 1巻を発掘してから1巻を再読せずに読むのがベター。それまでは積んでおくのも、またベター。潔く1巻切りというのも、勇敢なるベター…かもしれない。

 

おひとり様物語」8

 今夜の夕飯がおひとりの方は積んでる場合じゃない。おひとりは毎日毎食だという方はお好みのタイミングで。谷川史子的にはやわらかい光のさす春の昼さがりが崩しどき。でも寒い冬の夜におこたで葛湯と一緒に…も悪くない。葛湯で崩すのだ。